範頼さんについて

観劇すればするほど、
範頼さんは悪い人には思えなくなってきた。

ごうくんの範頼さんの悪党ぶりは回を重ねるごとに増してきているのだけれども。

なんて卑劣なことを!
と思うシーンは多々ある。

でも、ああいう風に生まれてきて、実際に描かれてはいないけれども、まわりから見下されて生きていて、ずっとずっと見下されて生きていく人生のほうが楽なはずなのに、上に昇りたいと思った範頼さんは、ああいう風に生きていくしかなかったんだなぁと思う。

穴を埋めることはではなく、上に昇ることを選んだ範頼さん。

野心の塊の範頼さんの生き方にはブレがない。
いや、ブレてしまうと、崩れてしまうんじゃないかと思う。だから、ああやって突っ走って生きているんだと思う。

野心という鎧を着て生きている範頼さんの心は孤独だ。

ただの悪党の話ではなく、
悪に身を染めて生きていくしかなかった男の孤独や哀愁が漂う。


そんな範頼さんが愛しい。
ごうくんが演じる人は、みんな愛しい。
形にはできない、目には見えない、その人の心が伝わってくるから。


心の内に触れてしまったり、生きざまみ見せつけられたら、
好きにならずにはいられないのです。


ハッピーエンドではないけれども、
土に帰りたくない範頼さんにとっては、一筋の光に感じるラストが、すごく好きです。
最初は光に思えなかったんだけど、観劇していくうちに、それは青木さんが残した最後の光なんだと思えるようになった。


大阪千秋楽、前の方で観劇できて、範頼の表情がよく見えたんだけど、優しい表情もするんだよね。まあ心では逆のこと考えていたりするんだけど(笑)
いや、でもステキだったな。
悪い顔して、べーって舌出してるお顔もかっこよかった。
どんな格好してても、ごうくんはかっこいいのだ。
近くで観劇すると、そういう邪念が出てくる(笑)

カッコイイ(ハート)という感情が生まれてくる(笑) いやしい目で範頼さんを見てしまう(笑)



東京は、真ん中あたりなので、邪念なく範頼さんを見つめられそうです。
邪念はなくとも、
愛しいという想いで溢れながら観劇すると思うけど。


回を重ねるごとに、生き生きと範頼さんを演じるであろう、ごうくんが楽しみです。

演じるという表現は、ごうくんには適してないけど。


いつもそうだけど、
ごうくんによって、役に魂が宿り、ほんの数時間、役が生きている姿を見ることができるのが、最高に贅沢な舞台観劇だと思う。



東京公演もみなさん怪我なく、頑張って下さい!鉈切り丸チームも!ファンも!(笑)